ある調査によると、海外駐在員が直面する悩みというのは、おおむね下記の5つに分かれるようです。
- 日本本社の現地子会社に対する無理解
- 赴任後の業務負荷の増大
- 現地社員とのコミュニケーショントラブル
- 家族に関する問題
- 現地の治安や生活環境に関する問題
どれも一筋縄では解決しない問題ですが、克服しながら海外勤務を継続することは出来ません。それぞれの悩みに対する対処法をまとめてみます。
1:日本本社の現地子会社に対する無理解
駐在員の方に話を聞くと、現地では『OKY』という言葉がはやっているそうです。これは『O(オマエ)がK(来て)Y(やれ!)』の略です。
たまに、日本本社の社長や役員が現地に来て、現地の実情を知らずに、業績が上がらないことを叱責する。何も分かっていないのに、アレコレ指図をする。でも、その指示が的を得ていないので、現地はますます混乱することになる。
こういった日本本社の無理解に悩まされている駐在員の『だったら、自分でやってみろ』という思いを表現しているものがOKYです。
この言葉が表しているように、日本本社と現地法人の意思疎通がうまくいっていなくて、そこにストレスを感じている駐在員は非常に多くなっています。
この問題に対処するには、本社の重役やキープレイヤーで、話が分かりそうな人、味方になってもらえそうな人に何度も現地の事情を訴えて理解を求めるのが重要です。
現地法人に権限が与えられていないため、常に本社に承認をまとめなければならず、それがネックになって仕事が進まないというケースも多いので、権限移譲についてもアピールする必要があります。
こうやって、仕事環境が改善するように自分から働きかけるしかないのですが、そもそも話を聞こうとしない、分かろうとしないという会社も多々あるのが実情です。
その場合には、良い意味での開き直りが必要です。とりあえず、本社の言うことは聞く振りをして、勝手にやるとか、こういった背景があるのだから、仕事がうまくいかないことに対して、過度に責任を感じないようにします。
やるだけやったら、後は気にしない。そこで、評価が落ちるようなら転職を考えるといったことです。真面目に考えすぎると、ストレス負荷で自分の心がまいってしまうので、適度に息抜きすることです。良い意味で適当な感覚を身につけることが重要です。
この時に、役立つのが駐在員仲間を作ることです。他社の駐在員とのネットワークを作って、お互いに情報交換をするようにします。お互い、共通の悩みを持っているので、話をするだけでも気分転換になりますし、場合によっては、有益な対処法を教えてもらえることもあります。
日本人駐在員が多い地域であれば、必ず日本人会が存在するので、そういった場所に足を運んでみることをオススメします。
2:赴任後の業務負荷の増大
海外では、複数の業務を兼任することが普通なので、日本で働いていた時と比較すると、業務量が数倍になるケースも珍しくありません。加えて、現地従業員の管理をすることが要求されるため、マネージャーとしての役割も果たさなければいけません。
日本で管理職の経験が無い人でも、これは変わりません。今までよりも仕事が増えたうえに、難易度も上がったとなれば、うまくいかないのが当然です。
かといって、十分なサポートを受けられることはないので、自分一人で抱え込むことになります。
この悩みに対する対処法も1と一緒です。日本本社に実情を理解させるために、何度もアピールすると同時に、適度にいい加減に対処する、駐在員仲間の経験や知恵を借りて応用するといったことが解決策となります。
3:現地社員とのコミュニケーショントラブル
日本人と違う感覚を持つ現地スタッフとコミュニケーションがうまく取れず、業務が進まないというのも、駐在員にとっては代表的な悩みとなります。
この問題を解決するには、現地の人達の考え方や習慣、文化に対する理解を深めることです。彼らの考え方が分かれば、会社として求めるものをキチンと理解してもらえるように伝えることも出来ます。
海外の人達に言わせると、日本人の駐在員というのは、現地のことを理解しようとする姿勢が足りないそうです。実際、欧米の駐在員というのは、赴任する前に現地国の歴史や文化について、かなり勉強してきます。
加えて、簡単な言葉であれば、現地語で話せるぐらいの語学スキルを身につけてきます。こういった姿勢があれば、現地の人も悪く思わないので、コミュニケーションがうまくいきます。
これは、自分自身の取り組みで解決することなので、ぜひ実行してください。
ちなみに、現地社員のマネジメントがうまい駐在員の方に話を聞くと、必ず現地スタッフで自分の片腕となるような社員を作ることを心がけているそうです。その社員に現地スタッフとの仲介役を任せることで、うまく回るようになるということです。
人事採用に口を出せる場合には、日本に対する理解が深い現地人を雇用して、仲介役にさせるといったことをすることもあるようです。
4:家族に関する問題
家族が慣れない環境に馴染めず、問題が発生することも珍しくありません。子供が学校でうまくいかない、奥さんがうつ気味になってしまう、etc
こういった問題が起きた時には、会社の先輩や駐在員仲間にアドバイスを求めることです。会社のサポート体制が整っているのであれば、会社に相談することも必須です。これは自分一人で解決出来ることではないので、頼りになる第三者を頼るのがベストです。
そのうえで、場合によっては、家族を帰国させることも考えてください。
5:現地の治安や生活環境に関する問題
この問題は根本的には解決することは出来ません。うまく折り合いをつけて暮らしていくしかありません。これも駐在員仲間からアドバイスをもらって参考にするのがベストです。
以上となりますが、いずれにしても基本となるのは相談出来る存在を持つようにすることです。自分一人で解決しようとしても、どうにもならないので、協力関係を結んだネットワークを構築することです。
これは、現地に赴任した時に、真っ先にやるべきことですし、さらに言えば、赴任前から取り組むことです。
今はインターネットを使えば、幾らでも人と知り合うことが出来ます。現地の日本コミュニティに連絡をとっておいて、情報収集をしておいてもいいでしょう。
こういった前準備をしておくかどうかで、現地での生活が大きく変わってきます。海外駐在員の悩みというのは、突き詰めていけば、自分で全てを抱え込まざるを得ない状況に追い込まれることにあります。
悩みを共有出来る存在、相談出来る存在がいれば、乗り越えることが出来るので、ぜひネットワークを作ってください。
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